映画『あやしい彼女』のヘアメイクさんに、映画撮影現場の裏側を徹底インタビュー!VOL.1

2016年4月1日から全国ロードショーとなった映画『あやしい彼女』。メガホンを取るのは、『謝罪の王様』『舞妓Haaaan!!!』を始め、コメディ映画でヒットを連発してきた水田伸生監督。主演は女優・多部未華子さん。そんな超話題作の”あやカノ”とbangsとのコラボ企画です!今回bangsでは、映画『あやしい彼女』のヘアメイクを担当した酒井夢月さんへのインタビューが実現!いつもは舞台裏で活躍するヘアメイクさんから見た、映画の見所!劇中のヘアメイクが作られる裏話など、他では決して聞くことのできない、違った視点からの『あやしい彼女』の魅力に迫ります!


writer bangs編集部 | 2016年4月5日更新

INDEX 目次

STORY

見た目は20歳、中身は73歳!

トラブルメーカーの瀬山カツ(倍賞美津子)は、年寄り仲間からも煙たがられる毒舌おばちゃん。

ある日、シングルマザーでキャリアウーマンの娘・幸恵(小林聡美)とケンカをし、家を飛び出したカツが見つけた小さな写真館。店主(温水洋一)に言われるがまま、カメラの前へ。「私がこのカメラでお姫様にしてあげますよ」そう微笑んで、店主はシャッターを切った…。

写真館を出たカツはバイクのミラーに映る自分を見て驚愕する…。そこには20歳に若返った自分(多部未華子)の姿があった。

“これは好きに生きてこられなかった自分へ神様がくれたチャンス!”とばかりに、意気揚々と「やりたいこと」へ一直線…。

“コメディ映画のプロ”水田伸生監督が手掛ける、人生リセット劇です。

Point

映画のヘアメイクは、「引くメイク」がポイントです

 

 

◆映画のメインビジュアルになるようなスタイリングはどのように決まるのですか?

今回は、監督がテーマとして、オードリ・ヘップバーンの「ローマの休日」ということにこだわりを持っていたので、そのイメージを形にしました。

実際の「ローマの休日」の中のスタイリングは、ショートカットなんですけど、多部さんはロングヘアなので、ロングのままあの雰囲気に近づけるようにアップスタイルにして表現してみました。

それを衣装合わせの時に、監督に見てもらって、細かい修正などが入って、最終的にスタイリングが決まります。

◆映画のお仕事に入る前に、ヘアメイクさんも台本を読まれるんですか?

もちろんです。まずは、ざっくり台本を読んで、私の頭の中で作品の中で使うスタイリングのイメージを作り上げます。

各キャラクターのそれぞれのイメージが頭の中で描けたら、次は実際にそのスタイリングが可能かを確認します。

例えば、髪を切ることはできるかとか、染めることは可能かとかです。それができない場合は、また違うスタイリングを考えます。

それを、監督や俳優さんとすり合わせて、意見の交換をして最終決定するという流れですね。

 

◆浮かんだスタイリングは絵に描いたり、1度作ったりしますか?

私は絵が下手なのでデッサンはしないんですけど、雑誌などから自分のイメージに近いものをスクラップしたりはします。

でも、頭の中にある物とあくまでイメージに近いものだと、それを見せたことで誤解させてしまうこともあるので、そういう時は、下手なんですけどイラストを足したりはします。

 

◆台本を読んで、どのくらいで各キャラクターのスタイリングが固まりますか?

基本的には何回も読み返します。キャラクターによっては、1度読んでイメージがはっきり沸くこともありますけど。

セリフから、そのキャラクターの性格やスタイリングのヒントを見つけてイメージしたりします。

 

◆スタイリングをしていく中で、気をつけていることはありますか?

「ヘアメイクが話の流れの邪魔をしない」ということは、常に気をつけています。

今回の「あやしい彼女」のようなエンタメ要素の強い作品の中では、ヘアメイクを際立たせることが良いということもあるんですが、映画って日常を描くほうが多いので、『引くメイク』というか、どれだけ違和感のないヘアメイクをするかということは、常に心掛けていますね。「作りすぎない」という。

足し算をするのは簡単なんですよね。

俳優の皆さんは、美しかったり、かっこよかったりするので、足し算をすれば良く見えるんですけど、役によっては、かっこよく見えてはいけないこともあるんですよね。

きれいすぎてはいけないということもあるので、それを引き算させてもらうということがありますね。

 

◆引き算の時に使う技はなんですか?

疲れているように見せたいシーンでは、後れ毛を出してみたり、髪を少し乱してみたり。

メイクだと、定番ですがクマを作ったりですね。

 

◆映画の撮影中のスケジュール

他のスタッフさんが入る前に、準備を完了しておかなくてはいけないので、現場に入るのはスタッフのなかでは、かなり早いほうですね。

道具を並べたり、必要な物をセッティングしたりして、演者さんを待って、ヘアメイクを完了したら、一緒に撮影現場で撮影に立ち合っています。

基本的には、撮影をしている間はずっと現場にいます。

1カット、1カット、モニターでもヘアメイクの確認をしたりします。

 

◆モニターで確認した時に、イメージと違うと感じることはありますか?

あります。やはり、画面を通して観ると、実際に見ているのとは受ける印象が違うということがあるので、「あれ、なんかちょっと違ったな」と思ったら、スタッフさんに言ってちょっと直すこともあれば、大きく違った場合は、監督に言って、最初からやり直すこともあります。

そこで感じる違和感をそのままにしてしまうと、画としてそのシーンに反映されてしまうので、そこは怖いですね。

 

Summary

メイクというと、「美しく、かわいくするもの」というイメージがありますが、映画のヘアメイクさんのお仕事では、「引く」という技術で映画の中に描かれる日常に溶けこむキャラクターを作り上げるという話が、とても印象的でした。

普段、なかなか聞けない映画撮影現場で働くヘアスタイリストさんのお話、まだまだ続きます!

次回もお楽しみに!

bangs編集部

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